うちの堆肥は乾草がたくさん含まれている。
乾草ロールを自由に食べさせて、その上で寝たり排泄したりもしているので(馬的にはトイレの場所には拘りがあるようで、本当においしいところではオシッコしたりはしない)、どうしても掃除で捨てる乾草が多くなる。
冬場は特に、下の方の湿った乾草を出す時はもわっとした空気が漂う。
なのに。
ボロ山はカラカラで、一般的な堆肥のように湯気が上がってこない。やはりし尿が少ないからだろうか。
良質な堆肥作りのポイントは、有機物の分解に必要な条件を整えてやることだ。
その分解条件とは次の6つ。
- 有機物
- 家畜ふん尿の中には、易分解性有機物(分解しやすい有機物)が多量に含まれており、これが堆肥化の微生物の栄養源となる
- 栄養バランスとしては C/N 比(炭素と窒素の比率)がある。
- C(炭素)は、炭水化物として微生物のエネルギー源となる。
- N(窒素)は、タンパク質として微生物のからだをつくる。
- 易分解性有機物が少ない資材を敷料に大量に使用しているためにふんの割合が少なかったり、発酵床のように畜舎内で易分解性有機物がすでに微生物によって分解されていたりすることによって、十分な温度が得られない場合がある(うちの場合これじゃん!)
- 適切な水分で適切な通気をしても、発酵温度が60℃以上に上がらない場合は、その可能性が高い
- 対策としては、敷料や副資材の混合量や種類を調整したり、米ぬかや廃食油などの易分解性有機物を多く含む資材を添加する
- C/N 比は、一般的に牛ふん&馬ふん 15 ~ 20、豚ふん 10 ~ 15、鶏ふん6~ 10
- CN比が低い=肥料効果〜高い、土壌改良効果〜低い、分解速度〜速い、水分多め
- CN比が高い=肥料効果〜低い、土壌改良効果〜高い、分解速度〜遅い
- 鶏糞<豚糞<牛・馬糞<腐葉土・堆肥後バーク<稲わら・堆肥前バーク
- 水分
- 80%:家畜ふんは、通気性が悪いために、微生物に酸素が行き渡らず、発酵がうまく進まない
- 70%:牛糞発酵に最適
- 60%:豚糞発酵に最適
- 30%以下:発酵が停止
- 酸素
- 空気が入り込めるのは、堆積した堆肥の表面から30cm程度まで
- 切り返しは必須(週1〜2回)
- 発酵菌
- 通気の具合、含まれている有機物の性状、温度といった環境の変化に合わせて、優先的に活動する微生物が変わる
- 微生物は、家畜ふんに十分に含まれているので、特に添加する必要はなく、堆肥化処理の環境を整えることが重要
- 戻し堆肥を使うこともある
- 温度
- 60℃以上で2日間以上が必要
- 堆肥化原料の中で易分解性有機物が多いと、発酵温度の上昇が大きく、その温度は長く持続する
- 堆積規模も関係し、あまり小さい規模の堆積では温度が上がらない
- 温度が上がると、病原菌や種子・寄生虫が死滅する
- 人体病原菌の死滅温度 ・腸チフス菌、赤痢菌、ブドウ球菌、大腸菌は、50 ~ 60 °Cで 10 ~ 60 分 ・回虫(卵)は、60 °Cで 15 ~ 20 分
- クリプトスポリジウムは、45 °Cで6時間
- 雑草種子の死滅温度:メヒシバ、ノビエ、カヤツリグサ、オオイヌタデ、イヌビユの種子を 60 °Cの牛ふん堆肥に2日間埋設すると発芽率は0%となった。
- 温度が上がると、病原菌や種子・寄生虫が死滅する
- 堆肥化期間
- 家畜ふんのみならば2ヶ月程度
- ワラやモミガラなどの農産残渣が含まれると3ヶ月
- オガクズのような木質材が混合された場合は6ヶ月程度の堆肥化期間が必要
- (ここは大丈夫みたいだけど・・・)
うちは、有機物と水分が圧倒的にたりない。
冬場の発酵促進対策;
- オガクズやモミガラ等の水分調整資材の確保
- 発酵熱の放熱を少なくし、極力蒸発熱に使えるよう処理施設に保温対策を施す
- 堆積量や送風量の加減により、発酵効率を高める工夫
- 堆肥化処理の期間を長くする
- 発酵助材として、米ぬかや廃食油等の高エネルギー資材の添加
まずは米ぬかや廃油(どこで手に入れるのか????)を試すかな。
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