凍結精液を輸入する話が少しだけ現実味を帯びてくると、
いろいろなことが気になり始める。
ネックになりそうなことは料金を除けば主に2つ。
①輸入に必要な手続きと ②輸送手段だ。
輸送手段に関して言うと、「ドライシッパー(液体窒素輸送容器)」というモノが必要になる。凍結精液はふだん液体窒素の中に保存されているが、ドライシッパーは容器内の充塡剤に液体窒素を吸収させて、極低温状態のまま輸送できるようにしたもの。馬の凍結精液だけでなく、人の生体試料(凍結受精卵、DNAサンプル、凍結幹細胞など)にも使われる。この特殊な輸送の費用が高い。
ドライシッパー(例;Aamazon):https://a.co/d/8VZ8ZYq
Directorはドライシッパーは貸し出せると言ってくれた。輸送業者もつてがあるので紹介できると。確認すると超大手の輸送業者。ただ、ユーロ高もあり往復料金がとてつもなく高い。我が家は郡部なので、国内の送料も半端ない。
それでまず、自分でドライシッパーを購入することを検討してみた…安くて〇十万。無理。
超大手の輸送業者ではなく、もっと小回りがきいてリーズナブルな輸送手段を提供してくれるところはないか。フランス人は超大手しか見つからないだろうけど、こっちは日本語が読み書きできるのだ。もっと良いところを見つけられるかも知れない。狙い目は、液体窒素や凍結検体を扱う企業だ。
あちこちを当たったところ、何社かが返信をくれた。もちろん、Directorが教えてくれた大手企業も確認したが、やはりとてつもなく高かった。馬の繁殖改良に携わる家畜改良センターにも問い合わせてみた。凍結精液の輸入をしていたが、やはり前出の大手企業しか頼んだことはないとのことだった。大量に頼むなら、採算は合うのかも知れない。
知り合いの獣医さんから牛の凍結精液の輸入時に牧場が利用する輸送業者も教えてもらった。
液体窒素を扱う大企業に問い合わせたところ、担当の方から「現在うちではやっていないが、今後の可能性を検討しているので一度お話を聞かせていただきたい」と逆に言われ、我が家に現地視察に来られたこともあった。何か参考になることがあったことを祈るばかりで恐縮していたが、その企業は「古いドライシッパーならあるので比較的低コストで貸し出すことは可能。ただし、動作確認は必要」と提案してくれた(感謝)。
結局、極低温輸送をやっている会社に見積もりをお願いしたところ、馬の凍結精液は初めてのとのことだったが、最もリーズナブルだったため、そちらを通じてドライシッパーをフランスに送ることにした。
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